
今回は、一般的な戸建て住宅で行われたエアコン交換工事の様子をご紹介します。
長年使用された東芝製のエアコンを、パナソニックの新しいモデル「エオリア CS-251DFL-W」へと交換する作業です。
現場調査と作業前の確認
【交換前:室内機】
長年お使いの東芝製エアコン。経年による色褪せが見られます。
【交換前:室外機】
室外機はバルコニーの二段置き台に設置されています。
電気工事士として現場に到着したら、まず以下の点を重点的に確認します。
- 専用電源の確認
エアコンは専用回路でなければなりません。分電盤を確認し、対象のブレーカーとコンセント電圧(今回は100V)をチェックします。 - コンセント形状
古いエアコンの場合、コンセント形状が現在と違うことがあります。
今回は問題なく、そのまま使用可能でした。 - 内外連絡線(VVFケーブル)の状態
室内機と室外機をつなぐVVFケーブルに、紫外線や熱による劣化がないかを確認します。
劣化が激しい場合は、配管と共にケーブルも新しく交換する必要があります。 - アース接続の有無
安全のため、アースが正しく接続されているかを確認します。
今回の現場は、配線やコンセントの状態も良好であったため、既存の電気設備を活かして交換作業を進めます。
エアコンの撤去作業:安全第一の電気系統の切り離し
エアコン交換は、ただ取り外して付け替えるだけではありません。
特に冷媒ガス(フロンガス)と電気系統の扱いは専門知識が不可欠です。
- 冷媒ガスの回収(ポンプダウン)
まず、室外機に冷媒ガスを安全に閉じ込める「ポンプダウン」という作業を行います。
これを怠ると、フロンガスが大気中に放出され、環境破壊につながります。 - 電源の遮断
ポンプダウン完了後、分電盤のエアコン専用ブレーカーを「切」にします。これが最も重要な安全手順です。
その後、コンセントを抜き、念のため検電器で電圧がかかっていないことを確認してから、室内機・室外機の端子台から内外連絡線を切り離します。
これらの手順を確実に行い、古い室内機と室外機を撤去します。
新機種パナソニック CS-251DFL-Wの設置と電気接続
いよいよ新しいエアコンの設置です。

【交換後:室内機】
新しいパナソニック「エオリア CS-251DFL-W」。真っ白なデザインでお部屋が明るい印象になります。
【交換後:室外機】
室外機も新しくなりました。以前の機種よりコンパクトになっているのが分かります。
ここでも電気工事士としてのチェックポイントがいくつかあります。
- 内外連絡線の接続
室内機・室外機の端子台に、それぞれVVFケーブルを接続します。
パナソニックのCS-251DFL-Wは、端子台の番号(1, 2, 3)が分かりやすく配置されています。
室内機側と室外機側で番号が一致するように接続するのが鉄則です。
接触不良は故障や火災の原因となるため、ケーブルの被覆を適切な長さで剥き、端子ネジを確実なトルクで締め付けます。 - アース線の接続
感電や電子基板の故障を防ぐため、アース線(緑色の線)を規定の場所にしっかりと接続します。
特に室外機は雨風にさらされるため、アース接続は非常に重要です。
最終チェックと試運転
配管・配線の接続が全て完了したら、最終の電気的なチェックを行います。
- 絶縁抵抗測定(メガーチェック)
ブレーカーを入れる前に、専用の測定器(絶縁抵抗計、通称メガー)を使い、電路と大地間の絶縁が保たれているかを確認します。
万が一、施工ミスによるショートや漏電の危険がないかを事前にチェックする、プロとして欠かせない作業です。 - 試運転
絶縁に問題がないことを確認後、ブレーカーを「入」にし、試運転を開始します。
冷房・暖房が正常に機能するかはもちろん、運転中の電流値や電圧をクランプメーターで測定し、機器が仕様通りの安定した状態で動作しているかを確認します。
全てのチェック項目をクリアして、お客様へのお引き渡しとなります。
まとめ
エアコン交換工事は、冷媒を扱う空調技術と、電気を安全に供給する電気工事の両方の専門知識が融合した作業です。
特に電気系統の接続ミスは、機器の故障だけでなく、漏電や火災といった重大な事故につながる可能性があります。
新しいエアコンは省エネ性能も格段に向上しているため、快適になるだけでなく電気代の節約にも貢献します。
エアコンの設置や交換は、必ず資格を持った専門業者に依頼するようにしましょう。
既設機種: | – |
交換機種: | CS-251DFL-W |
対応地域(エリア): | 神奈川県川崎市幸区 |
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